【第60 回CPD「東京都市大学 原子力研究所見学」 実施報告】

見学日時 : 令和7 年7 月4 日(金)14:00~16:30
場  所 : 東京都市大学王禅寺キャンパス原子力研究所
テ ー マ  : これからの原子力利用について考える
参 加 者  : 本会会員 9名 会員外 1名  合計 10名

 

東京都市大学原子力研究所は、1960 年に原子力の平和利用と技術開発を目的として設立され、研究用原子炉を用いた癌治療(BNCT)や微量元素分析などで大きな成果を挙げてきました。しかし1989 年の冷却水漏えい事故を経て、原子炉は2003 年に廃止されました。現在は原子炉本体こそ廃炉となっているものの、原子炉以外の施設・設備は維持され、放射線利用教育・研究の拠点として継続運用されている点が特徴的です。

見学では、廃炉後の施設が新たな研究基盤として再構築されている様子を確認しました。特に、1.7 MV ペレトロン・タンデム加速器が新たに整備され、材料分析や核データ取得など多様な研究に活用されていることが印象的でした。 また、放射性同位元素を扱う実験施設や放射線計測設備が充実しており、東京都市大学 理工学部原子力安全工学科の学生教育や技術者育成にも重要な役割を果たしています。現在の研究所では、放射線源や計測機器を用いた実験実習、放射線計測・管理教育、原子力安全・リスク評価・耐震工学などの研究が継続されており、外部研究者との共同研究や規制検査・保安検査への対応を通じて施設の安全管理も重視しています。

福島第一原子力発電所事故以降、原子力の安全性や廃炉技術への関心が高まる中、同研究所は教育・研究の場として社会的意義を増しています。さらに近年では、より安全性を高めたマイクロ原子力発電などの新しい発電方式が注目されて、同研究所が担う役割は単なる過去の原子炉施設の維持にとどまらず、次世代の原子力技術を見据えた教育・研究拠点としての価値を持ち続けていると感じられました。

<添付ファイル>原子力研究所見学会実施報告